親のいないこども達のために
投稿者
氷川霧霞
投稿日
2025/06/14
難易度
影響度
進捗
課題・背景
児童養護とは?
「児童養護」とは、親からの虐待や死別など、さまざまな理由で親と暮らせない子どもたちを社会全体で守り、育てる取り組みのことです。
残念ながら、日本では、毎年多くの子どもたちが虐待で命を落としたり、精神的に苦しんでいます。特に、0歳(生まれたばかりの赤ちゃん)が虐待で亡くなるケースが一番多いという悲しい現実があります。
虐待の現状と背景
- 相談件数の増加: 児童虐待の相談は、年々増え続けています。児童相談所に寄せられる虐待の相談は、 過去最高を更新し、年間18万人を超える 子どもたちが虐待の疑いで相談を受けています。
- 親側の苦しみ: 虐待をしてしまう親の背景には、経済的な貧しさ、精神的な病気、子育ての孤立、予期せぬ妊娠・出産など、さまざまな理由があります。例えば、シングルマザーの約半数が貧困に直面しているというデータもあります。
- 「親権」の壁: 日本の法律では、親が子どもに対する「親権」を非常に強く持っています。そのため、虐待が疑われる場合でも、 児童相談所が子どもを親から引き離すのが難しい という問題があります。親のしつけのために体罰を認める「懲戒権」という考え方も昔からありましたが、今はそのあり方も見直されています。
乳児院と里親制度の課題
親と暮らせない子どもたちは、「乳児院」や「児童養護施設」といった施設で過ごしたり、 「里親」という制度で、別の家庭で育てられたりします 。
- 乳児院の現実: 乳児院は0歳から5歳くらいまでの赤ちゃんや幼児を預かる施設です。しかし、職員の数が足りず、多くの子どもたちを機械的に世話せざるを得ない状況があります。このため、子どもが特定の人との強い心のつながり(愛着)を築くことが難しくなり、「 愛着障害 」という問題につながる可能性があります。 世界では、このような理由から乳児院をなくす方向へと進んでいます 。
- 里親制度の課題: 「里親」とは、親の代わりに子どもを家庭で育てることです。しかし、日本では里親に預けられる子どもの割合が非常に低く、 イギリスやドイツが約50〜70%であるのに対し、日本はわずか12% しかありません。里親には手当が出るため、中にはお金目当てで子どもを預かり、適切な養育がなされないケースもあると指摘されています。
- 特別養子縁組: 生まれた子どもを、実の親ではない別の夫婦が「実の子ども」として育てる制度です。この制度は子どもが新しい家庭で安定して育つために重要ですが、 日本の法律では実の親の権利が強く、この制度を利用するのが難しい 現状があります。
孤児対策(広義の児童養護システム)の課題と「こども家庭庁」
子どもの命や未来を守るためには、行政の「縦割り」の問題を解決することが重要です。これまで、子どもの問題は厚生労働省、文部科学省、法務省、警察庁など、さまざまな省庁がそれぞれ担当しており、 どこが最終的な責任を持つのかが不明確 でした。このため、問題がたらい回しにされ、解決が遅れることが多々ありました。
このような状況を改善し、すべての子どもたちを切れ目なく支援するために、「こども庁」の創設が提唱されました。
「こども家庭庁」とは:
- 子どもの課題を解決するための「司令塔」となる新しい省庁です。
- 当初は「こども庁」という名前でしたが、「家庭」も大切だという意見(公明党や一部野党、自民党保守派など)が強かったため、「こども家庭庁」という名称になりました。
- 縦割り行政をなくし、子どもの視点から政策を一貫して進めることが目的です。
- いじめの問題についても、これまで文部科学省だけが担当していましたが、今後はこども家庭庁も連携していじめ防止や解決に取り組むことになります。
- 子どもの予算はこれまで、他の省庁の予算に埋もれて見えにくかったのですが、こども家庭庁ができたことで、子どもに関する予算がはっきり分かるようになりました。これは、子どものためにどれだけお金が使われているのかを国民がチェックできるようになるという点で重要です。
「こども基本法」
-こども家庭庁とセットで作られた法律で、子どもが幸せに成長できる権利や、自分の意見を言える権利を保障することが明記されています。これは、子どもが「親の所有物」ではなく、一人の人間として尊重されるための大切な一歩です。
「子どもコミッショナー」制度の提案:
- 行政から独立して、子どもの権利が守られているかを監視し、子どもたちの意見を代弁する役割を持つ「子どもコミッショナー」を置くことも提案されています。子どもたちは選挙権もなく、声を上げにくい存在だからこそ、彼らの意見を聞き、政府に伝える存在が必要だと考えられています。
ベビーライフ事件について
2020年、海外への養子縁組のあっせんを行っていたNPO法人「ベビーライフ」が事業を停止し、養子となった子どもたちの情報が不明になるという事件が起こりました。
問題点
- 許可なく養子縁組のあっせんを行う団体を国や自治体が把握することが難しい。
- この事件では、海外に養子に出された子どもが、現地の国籍を取得することで日本国籍を失ってしまうケースがありました。この場合、日本政府はもはやその子どもを守ることができなくなります。
- 子どもが自分のルーツや出自を知る権利が保障されないという問題も浮き彫りになりました。
これらの課題は複雑ですが、子どもたちが安心して暮らせる社会を作るために、多くの人が協力して解決に取り組んでいます。
山田太郎議員の取り組み・活躍・成果
山田議員は、親からの虐待や貧困、病気など、様々な理由で親と暮らせない子どもたちを社会全体で守り育てるための取り組みである児童養護の問題に、2015年から積極的に取り組んでいます。特に、児童虐待が年々増加し、0歳児の虐待死が最も多いという悲しい現実や、乳児院で育つ子どもが特定の人との強い心のつながりを築くことが難しい(愛着障害のリスク)といった問題(世界では乳児院の廃止の方向へ進んでいる)に強い危機感を持っていました。
山田議員の主な活動と成果は以下の通りです。
1. 「こども庁」から「こども家庭庁」の設立を主導
- 司令塔機能の確立: これまで子どもの問題は、厚生労働省、文部科学省、法務省、警察庁など、様々な省庁がそれぞれ担当する**「縦割り行政」になっており、どこが最終責任を持つのかが不明確でした。山田議員は、この状況を改善し、すべての子どもたちを一貫して支援する「こども庁(後のこども家庭庁)」の設立を2016年から提唱してきました。彼は、子ども政策の「司令塔」**となる組織が必要だと強く訴えました。
- 予算の可視化と拡充: 子どもに関する予算はこれまで、他の省庁の予算の中に埋もれて見えにくかったのですが、こども家庭庁ができたことで、子ども関連予算が明確に分かるようになりました。これにより、国が子どものためにどれだけお金を使っているかを国民がチェックできるようになり、さらなる拡充に向けた議論が進んでいます。令和6年度の当初予算で約5.3兆円、令和7年度の要求では約6.5兆円という極めて大きな予算が計上されています。
- 子どもの権利の尊重: 子どもが幸せに成長できる権利や、自分の意見を言える権利(意見表明権)を保障する**「こども基本法」**の成立にも尽力しました。これは、子どもが「親の所有物」ではなく、一人の人間として尊重されるための大切な一歩です。
- 居所不明児童問題への対応: 定期検診を受けていない子どもや、母子手帳が作られてもその後の居場所が分からなくなる子ども(居所不明児童)の問題についても、こども家庭庁が把握・対応するよう、強く働きかけました。これは、子どもたちの命を守るための重要な取り組みです。
- いじめ・不登校対策の強化: これまで文部科学省の所管だったいじめや不登校の問題も、こども家庭庁と文部科学省が連携して取り組むことになりました。特に、学校内で解決できない場合に、こども家庭庁が外部から調査・介入できる仕組みを導入することに尽力しました。
- 児童虐待死の原因究明: 子どもが虐待で亡くなった場合に、その原因を徹底的に究明する**「チャイルドデスレビュー」**の導入も提唱しています。これは、同じような悲劇を繰り返さないために不可欠なことです。
2. 親権制度と「懲戒権」の見直し
- 強すぎる親権への問題提起: 日本の法律では親が子どもに対する親権を非常に強く持っており、これが虐待が疑われる場合でも児童相談所が子どもを親から引き離すことを難しくしていると指摘しました。
- 「懲戒権」のあり方の検討: 親が子どもに対して体罰を認める**「懲戒権」**という民法上の規定の見直しを政府に求め、閣議決定で検討することが盛り込まれました。山田議員は、親を罰することよりも、虐待を受けている子どもを保護することの方がはるかに重要だと強調しています。
3. 里親制度と特別養子縁組の推進、乳児院の問題改善
- 家庭養護の優先: 山田議員は、施設で育つよりも、里親や特別養子縁組といった家庭的な環境で子どもが育つことを強く推進しています。施設で育つ子どもの割合が、イギリスやドイツに比べて日本は極めて低い(日本は12%に対し、イギリスは71%、ドイツは50%)という現状を改善しようとしています。
- 乳児院の課題解決: 乳児院における職員不足や、子どもが愛着を築きにくいといった問題(愛着障害のリスク)を指摘し、乳児院を将来的には廃止し、特別養子縁組などを推進すべきだと訴えています。
4. ベビーライフ事件とデータ把握の重要性
- 政府のデータ不足を指摘: 養子縁組あっせん団体「ベビーライフ」による、海外への養子縁組後の子どもたちの情報不明問題(ベビーライフ事件)が発生した際、山田議員は、政府が海外に養子に出された子どもの実態をほとんど把握できていないことを突き止めました。特に、海外で国籍を取得した場合に日本国籍を自動的に喪失し、日本政府がその子どもを守れなくなるという危険性を指摘し、データの一元的な管理と国際的な連携の必要性を訴えました。
これらの活動を通じて、山田議員は、複雑に絡み合った子どもたちの問題を、根本的なところから解決するための法整備や制度改革を粘り強く進めてきました。彼の努力は、 こども家庭庁 の設立や関連法の改正、予算の拡充など、具体的な成果に繋がっています。
みんなの評価
ログインして評価するハヨ
2025/07/01 14:29
関心度
関心あり。力入れて!
評価
頑張れ!
現場の職員の方々が一生懸命に乳幼児の心身の健康を守り育てて下さっているとしても、やはり担当するお子さんの数が多く、こどもの愛着障害を引き起こすリスクが高いために乳児院を廃止している国も多い。
なるべく里親の元で沢山の愛情を受けて育つ子供が増えることを願っています。
引き続き、よろしくお願いします!