クレカ会社による通販規制問題
投稿者
氷川霧霞
投稿日
2025/06/11
難易度
影響度
進捗
課題・背景
1. 問題の始まり
この問題が発覚したのは、2019年のことです。ある通販サイトで、大人の人向けのマンガなどの本が、クレジットカードで買えなくなってしまったのがきっかけでした。
売られていたのは、法律でOKとされている本だったのに、急にダメになりました。
2. 規制がどんどん広がった
最初は「アダルト」と呼ばれるものだけかと思いきや、だんだん規制されるものが増えてきました。
例えば、「殺人」「兄弟」「奴隷」「催眠」「薬」といった 特定の言葉 が、商品の名前や説明に使われているだけで、「これは決済に使えません」と言われたりすることが起こっています。
アダルトではない、普通のアニメやマンガでも、絵や話の内容に少しでもそういう要素があるとダメと言われる可能性が出てきました。
ついには、婚活サイトまで決済を止められる事態に発展してきています。
また、「漫画図書館Z」というサイトでは、決済を止められるだけでなく、それまでの売上までも没収となり支払いがされませんでした。十分な話し合いや理由の説明もない一方的な措置で、大きな問題があります。

3. 誰が、なぜ決めているか分からない
クレジットカードで買い物ができるようになるまでには、以下のようにいくつか会社が関わっています。このため、どこが、停止の決定をしているのかが分かりづらくなっています。
- 国際ブランド(VISA, Mastercard, JCBなど): クレジットカードのブランドを維持し、決済ネットワークの基盤を提供します。直接、個々の加盟店と契約したり、利用者へのカード発行を行ったりすることはありません。
- イシュアー(カード発行会社): 国際ブランドと提携し、実際に利用者(私たち)にクレジットカードを発行する会社です(例:三井住友VISAカードなど)。
- アクワイアラー(加盟店開拓会社): 国際ブランドと提携し、加盟店(お店や通販サイト)とクレジットカード決済の契約を結ぶ会社です。
- 決済代行会社: 加盟店とアクワイアラーの間に入り、複数のクレジットカード会社との契約をまとめて代行するサービスを提供します。加盟店は決済代行会社と契約することで、複数のカードブランドに対応できるようになります。

「なぜこの商品はダメなの?」と聞いても、「カードブランドのルールだから」とか「決済代行会社に言われたから」とか、言われた会社によって言うことが違ったりして、 結局誰が、どんな理由で、なぜ規制しているのかがはっきり分からない ことが大きな問題です。
また、最初の頃は規制を受けたショップ側も、カード決済が全くできなくなってしまうことを恐れて山田太郎議員がヒアリングしても正確に話せなかったり、話しても表に出すことができませんでした。これも、「どこが、なぜ」規制を行っているのか、分かりづらくなっている大きな要因でした。
※我々買う側の関係会社として「イシュアラ(カードを発行する会社。楽天カードとか、三井住友カードとか)」という会社もありますが、おそらく今回は関係ないので省略しています。
4. お店(事業者)や表現する人が困る
インターネットで物を売る場合、クレジットカード決済はとても大事な支払い方法です。それができなくなると、 お店は商品を売ってお金をもらうのが難しくなってしまい、店を続けられなくなる こともあります。実際、「漫画図書館Z」はサービス廃止に追い込まれてしまいます。
また「この言葉は使っちゃダメ」「こういう内容はダメかも」と厳しく言われると、 表現したいことが自由にできなくなり、自主規制としてどんどん表現の自由がなくなっていきます 。
5. クレジットカードが「大事な通り道」に
今、クレジットカードやキャッシュレス決済は、お金を払うための「大事な通り道(インフラ)」のようになっています。
その「大事な通り道」を管理する会社が、「この車は通しません」「この荷物は違法じゃないけど嫌いなので載せた車は入らせない」と勝手に決められるようになったら困りますよね。クレジットカードも同じで、その 影響力がとても大きい のに、ルールがはっきりしないまま規制が進んでいることが問題になっています。
山田太郎議員の取り組み・活躍・成果
山田太郎議員は、このクレジットカードによる表現規制の問題に、早くから、そして熱心に取り組んでいます。
1. 問題に早く気づき、政府に訴えた
2019年に問題が表面化したときから、山田太郎議員は、この問題が表現の自由や取引の自由を侵害する重大な問題であると考え、国会での質疑や関係者との直接交渉を通じて、解決策を模索しています。
そして、国会で政府にこの問題を取り上げ、「クレジットカード決済で問題が起きているということを、政府もきちんと問題だと認識してください」と訴えました。政府に「実態を把握する」と初めて認めさせたのは、とても大きな一歩でした。
「認めたからどうなんだ」と思うかもしれませんが、「問題があると政府に答えさせること」は、政治的に解決するうえで必ず通る最初の一歩となります。問題があることが認められて初めて、「じゃあどう解決しようか?」というステップに進むのです。
経済産業省は、加盟店からの契約拒否や解除に関する問い合わせがあることを認識しており、安心安全な決済環境の確保に努めると表明しています。
2. 世界のカード会社に直接交渉
問題の根本を探るために、山田議員は アメリカのVISAの本社 まで実際に行き、会社の副社長たちと直接話し合いをしました。
VISA本社からは、「合法的なコンテンツに対して、それが『良い』とか『悪い』とかの価値判断をして取引を止めたりはしていない」という方針を聞き出します。この問題の難しいところは「どこがどのような判断で規制をしているのかがわからない」というところなので、まずは一番上流の決済ブランド会社の方針ではない、ということを確認できたのは大きな一歩といえます。
なおこの VISA 訪問は、単純にVISA本社にアポを取って話を聞いてきた、というものではありません。事前の入念で慎重な調査を踏まえたものであり、「VISA本社から規制をしていない旨の回答を得ることができる」という見込みを得たうえでの訪問でした。万一、回答が「VISAはこういう理由で問題ある作品やショップにはカードを使わせない方針だ」といったものであったら、この訪問は全くの逆効果になってしまいます。このように山田太郎議員は、単に行動力がある議員というだけでなく、事前に十分な調査と根回しをする、勝算がなければ迂闊に動かない、という慎重さを兼ね備えた議員です。
またVISAだけでなく、他の有名なインターネットの会社(GoogleやAmazonなど)とも話をして、決済以外の場所でも表現が不当に規制されないように訴えています。
3. 困っている人たちや団体と協力
マンガを描く人や、表現の自由を守るための団体(AFEEなど)と協力して、一緒に問題解決の方法を探っています。
最近問題になった、「漫画図書館Z」がクレジットカード決済停止で閉鎖することになった問題でも、関係者である赤松健議員などと協力して、何が問題だったのか、どうすればよかったのかを調べています。
4. 問題の構造を分かりやすく伝え続けています
この問題は、誰が規制しているのかが分かりにくく、多くの人が「どうしてこんなことが起きているんだろう?」と困惑しています。
山田議員は、自身のYouTubeチャンネルや街頭演説で、クレジットカード決済の仕組みや、問題の背景にあるややこしい構造、そして合法なものと違法なものをきちんと区別することの大切さなどを、分かりやすく説明し、多くの人に知ってもらうための活動もしています。
5. 五つの対策
山田太郎議員はこの問題をなんとしても解決するため、5つの解決策を掲げて模索しています。

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- 優越的地位の濫用の一環としての対応:加盟店にとってクレジットカード会社との取引の継続が困難になることが事業経営上大きな支障をきたすため、クレジットカード会社は加盟店にとって著しく不利益な要請等を行っても、加盟店は受け入れざるを得ない状況です。また、一部の案件では、支払留保がなされ、支払遅延も起きていますので、優越的地位の濫用としての対処を公正取引委員会とやり取りしています。
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- プラットフォーム規制の一環としての対応:クレジットカード取引は典型的なプラットフォーマー型ビジネスとされており、恣意的な取引拒絶(決済停止)による表現規制を防ぐため、透明性・公正性を高める制度等の構築についても取組みを進めています。
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- インフラ規制の一環としての対応:クレジットカードは、サイバーセキュリティ上の重要インフラ、経済安全保障上の基幹インフラに位置付けられています。生活に不可欠な基盤については、民民の契約であっても、契約自由の原則を制限し、正当な理由なく決済を拒否することを禁止すること可能なはずです。この観点からも解決策を検討しています。
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- 金融規制の一環としての対応:諸外国では、クレジットカード会社は、銀行規制の一環として、認可制・免許制といった強い監督を受けています。しかし、日本は、割賦販売法により登録制という緩い規律を受けているのみです。政府が、クレジットカード会社による不当な取引停止に対して監督権限を行使できるよう、金融規制の対象とすることも金融庁に働き掛けています。
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- 消費者保護の一環としての対応:リアル(実店舗)では問題なく購入できるコンテンツが、クレカ決済できないためにネットでは購入できないというのは、消費者の利便性を著しく低下させるものです。消費者の利益を不当に害しているのではないかという観点から、消費者庁に対応の検討を要請しています。
FAQ(よくある質問)
Q: 他にこの問題に取り組んでいる議員はいないのでしょうか?
2025年まで、この問題に取り組んでいる国会議員は他にいませんでした。
しかしこの夏、岸田元総理、小林史明議員が加わり、一緒に取り組んでいくことになりました。
Q. まだ決済停止が続いてますが、VISA 本社まで行って効果はあったのでしょうか?
先の質問のように、山田太郎議員は「VISAは規制の指示を出していない」という答えをえられるだろう、と考えてVISA本社を訪問しているので、当然ですがそれがこの問題のゴールだとは考えていません。残念ながら、この問題はそんなに簡単な問題ではないのです。
効果としては、問題解決の重要な一歩、という位置づけになります。
最上流のカードブランドをまず押さえることで、アクワイアラや決済代行会社に「カードブランドの指示でやりました」という言い訳を封じることができます。
そして近々、岸田元総理、小林史明議員とともに、経産省、文化庁、アクワイアラ、決済代行会社など 関係者を一同に集めてどこが止めているのか責任を明確にする ことになっています!
https://x.com/okotatsudoragon/status/1941544616936997309
Q: 独禁法違反で行政指導なりなんなりすれば良いのでは?
まず、どこが規制をしているのかが明らかでない以上、誰に対して行政指導してよいか分かりません。
また山田太郎議員も初期の頃から公正取引委員会の担当者とこの問題を相談していますが、公正取引委員会の現在の見解としては、本件は独占禁止法の「優越的地位の濫用」の対象外と見なしているようです。
ただし、漫画図書館Zのケースでは、売上が支払われないこともあって、問題視を始めたようです。
Q. マスターカードには話を聞きに行かないの?
必要なら聞きに行くでしょう。
ただし、VISAのときも、山田太郎議員は入念に下準備をしたうえで訪問しています。「準備」というのは、事前にVISAに問い合わせて、山田太郎議員がほしいと考える答えをもらえそうだ、という確証を得たうえで訪問して、回答を得ているのです。もし準備の段階で「欲しい答えがもらえなさそうだ」となったら、訪問は取りやめていたでしょう。VISAから「いえ、弊社は問題あると思った商品は積極的にカード利用を規制する方針です」という回答が出回ってしまっては取り返しがつかないからです。勢いとパフォーマンスでVISAまで行っているわけではないのです。
もしマスターカードに行くのであれば、同じように入念な準備をしたうえでの訪問となるでしょう。
Q: なぜクレジットカード会社は特定の表現を規制するようになったのですか?
この問題は、国際的な動きと連動していると言われています。特にアメリカやヨーロッパでは、児童の性的搾取や人身売買といった違法行為の資金源となるポルノサイトでの決済をブロックするよう、国際的な活動団体がクレジットカード会社に要求する動きがありました。2020年にはポルノハブがマスターカードやVISAカードによる決済が利用できなくなる事態が発生し、2022年には、児童ポルノの収益化を支援したとして、VISA本社が訴訟の被告となる事態も発生しました。
このような背景から、クレジットカード会社は自社の「ブランド」を守るため、あるいはテロ資金供与や犯罪組織との関連を断つという名目で、合法的なコンテンツにも検閲的な圧力をかけるようになったと言われています。ただし、実際にはアメリカなどでは違法でないアダルトコンテンツに対する規制は行われていないため、アダルトコンテンツに対するクレジットカード会社の規制は日本独特の問題ではないかと考えられます。
みんなの評価
ログインして評価するシキ
2025/07/01 14:31
関心度
最大の関心事です!
評価
期待以上!
モッチン中村
2025/07/01 19:47
関心度
最大の関心事です!
評価
期待以上!
アロム
2025/07/03 15:17
関心度
関心あり。力入れて!
評価
頑張れ!
追記:
例えば、楽天で「鯨肉」と検索しても、鯨肉は出てきません。
日本で合法なものの取引規制は、マンガ・アニメ以外でもすでに行われているのです。マンガ・アニメだけの問題ではないという事実があります。